矯正治療中の口内炎は仕方がない?対処法や予防法を解説
2025/01/20
こんにちは、港区(三田・赤羽橋)の矯正歯科専門医院、矯正歯科クリニック三田赤羽橋です。
矯正治療中の方が抱える問題の一つに「口内炎」があります。
矯正器具が口の中にあり、粘膜などに触れている状態のため、口内炎ができるのは仕方がないと痛みを我慢している方も多いかもしれません。
そこで今回は、なぜ矯正治療中に口内炎が発生しやすいのか、痛みを和らげるための方法や予防策にはどのようなものがあるのかを解説します。
矯正治療中に口内炎ができやすい理由
装置が当たることによる物理的な刺激
矯正治療中は、装置が繰り返し粘膜を刺激することで口内炎が発生しやすくなります。
この物理的な刺激による口内炎はカタル性口内炎と呼ばれ、特に矯正治療の初期に多く見られます。
矯正装置が頬や唇、舌に触れることで起こる無菌性の炎症です。装置の装着初期や調整後、新しいマウスピースへの変更時には、金属のエッジが粘膜に触れ痛みを伴う微小な傷を誘発することが多く、これによって口内炎ができやすくなります。
また、長期間の装着によって同一部位が繰り返し擦れることで、慢性的な痛みや炎症を引き起こすリスクもあります。
栄養不足・栄養の偏り
矯正治療中には、食事の内容や量がそれまでと異なり、栄養バランスに偏りが生じることがあります。
矯正装置が口内に装着されていることで、普段よりも柔らかいものや食べやすいものを選びがちになるためです。
その結果、ビタミンB2、B6、Cなどの口内の粘膜の健康維持を助ける栄養素が不足し、口内炎が発症しやすくなります。
唾液量の減少
矯正治療中は口の中に異物が入っている状態のため、無意識のうちに口が開きがちになったり、口呼吸が増えたりします。
これによって口内が乾燥しやすくなること、唾液の分泌量が減少しがちなことも口内炎ができやすくなる理由です。
唾液が不足すると、粘膜の防御力が低下し、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まります。
これにより、口内の環境が悪化し、口内炎が発生しやすくなります。
また、乾燥した状態が続くと、矯正装置が粘膜に直接的な刺激を与えやすくなり、口内炎の発生を助長する場合があります。
矯正治療以外が原因の口内炎
アフタ性口内炎
一般的な口内炎として知られているのがアフタ性口内炎です。
炎症は通常、口の中に小さな潰瘍として現れ、その周囲は赤みを帯びています。境界が明瞭で、白や黄色の膜で覆われているのが特徴です。
免疫力の低下や栄養バランスの悪化のほか、ストレスが強くかかっている状況ではホルモンバランスが乱れることにより、アフタ性口内炎が発生しやすくなります。
ヘルペス性口内炎
ヘルペスウイルスは、特に免疫力が低下した時期に活性化しやすいウイルスの一つです。
これが原因で発生するヘルペス性口内炎は、口内や唇に水疱ができ、痛みを伴うことが多い口内炎です。
風邪のような症状を伴うことが多く、再発性があります。
カンジダ性口内炎
カンジダと呼ばれる真菌が引き起こすカンジダ性口内炎は、免疫力の低下や抗生物質の長期使用により口内の細菌バランスが崩れることで発症します。
口内に白い膜や斑点として現れるのが特徴で、「口カビ」と呼ばれることもあります。
これは、生活や医療環境の中で容易に発生する可能性があり、症状改善のためには特に口腔衛生の維持が重要です。
ニコチン性口内炎
長期間の喫煙は口腔環境に悪影響を与え、ニコチン性口内炎の原因となることがあります。
喫煙によって口内の粘膜が継続的に熱刺激を受けることで炎症が起き、細胞の再生が遅れがちになるためです。
この状態が続くと、粘膜が硬化し、白いタバコ斑として現れます。
アレルギー性口内炎
金属アレルギーに起因するアレルギー性口内炎は、かゆみや炎症、潰瘍の形成といった症状があり、特に矯正装置に含まれる金属成分が原因で引き起こされます。
金属アレルギーの症状として現れるため、アレルゲンを特定し、非金属性の材料を選択することで、症状の緩和が期待できます。
矯正治療中の口内炎の痛みを和らげる方法
矯正用ワックスの使用
矯正器具が口内の柔らかな組織に触れるのを防ぐために、矯正用ワックスを利用するという手があります。
矯正具の突起部分にワックスを塗布することで、粘膜が傷つくのを防ぎ、痛みを軽減します。
矯正器具の調整
矯正器具そのものが原因で痛みが生じている場合、装置の調整で症状を軽減できる可能性があります。
歯科医院を訪れて、器具の調整について相談しましょう。
市販の口内炎薬の使用
市販の口内炎薬は、炎症を抑える成分や鎮痛成分を含んでおり、痛みを一時的に和らげてくれます。
軟膏タイプや貼付タイプがあり、それぞれ症状に応じて使用方法を選ぶことができます。
特に食事前など、特定の時間帯に痛みが増す場合には、そのタイミングで薬を使用すると良いでしょう。
ただし、アレルギー反応がある場合や長期間使用しても改善が見られない場合は、歯科医師に相談するようにしてください。
矯正治療中の口内炎の予防方法
免疫力を高める
免疫力の維持・向上は口内炎をできにくくするために重要です。
十分な睡眠は、細胞の修復と免疫機能の強化を促します。
また、バランスの良い食事を心掛け、特にビタミンCやビタミンB群などを充分に摂取することで口腔粘膜の健康を維持しやすくなります。
口内を清潔に保つ
矯正治療中に口内を清潔に保つことは、口内炎を予防するためにも虫歯や歯周病、口臭といったそのほかのトラブルを防止するためにも大切です。
矯正装置に合わせた歯磨きの方法を学び、フロスや歯間ブラシを用いることで、細かい汚れも丁寧に落とすようにしましょう。
これにより、細菌感染を防ぎ、口内炎の発症リスクを抑えることができます。
まとめ
矯正治療は歯や口の見た目を整えるだけでなく、口内の健康を向上させるためにも大切な治療です。
その過程に発生する口内炎に煩わしさを感じるかもしれませんが、適した対策とケアをすることで痛みに悩まされる時間を減らすことができます。
矯正治療期間中も口内の衛生環境を維持し、栄養バランスの取れた食事をとることで口内炎の発症リスクを減らし、口内炎ができてしまった場合には矯正用ワックスや矯正装置の調整で対処するようにしましょう。
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