逆被蓋(ぎゃくひがい)ってなに?どんな不正咬合なのかを解説
2026/07/20
こんにちは、港区(三田・赤羽橋)の矯正歯科専門医院、矯正歯科クリニック三田赤羽橋です。
不正咬合の一種である逆被蓋は、どのような歯並び・噛み合わせの状態を指すのかを知っているでしょうか。
今回は、逆被蓋とはどのような状態なのか、その原因や口腔内への影響、治療方法について解説します。
逆被蓋とは
逆被蓋とは、下の歯が上の歯よりも前方に位置している状態です。
通常、上の前歯は下の前歯を覆うように、2mmから3mm程度前方にあります。
逆被蓋ではこの関係が逆転しており、下の前歯が上の前歯よりも前に出ています。
逆被蓋は、反対咬合や受け口とも呼ばれることがあり、両者はほぼ同じ意味で使われています。
ただし、厳密には反対咬合は噛み合わせの状態、逆被蓋はその噛み合わせにおける歯の重なり方を表しています。
逆被蓋の原因
遺伝
逆被蓋の原因として、あごの骨格や形態といった遺伝的要因があります。
下顎が大きめの骨格の場合などに、逆被蓋が起きやすくなります。
骨格性
骨格性の逆被蓋は、上顎骨と下顎骨の大きさや位置関係の不調和によって生じます。
下顎が過度に成長したり、上顎の成長が不足したりすることで、逆被蓋が起きやすくなります。
口腔習癖
指しゃぶりや舌を前に突き出す癖、口呼吸などの習慣は、歯やあごの発育に影響を与えます。
特に、舌で上の前歯を押す癖がある場合、上の前歯が後方に傾斜したり、下の前歯が前方に押し出されたりすることで、逆被蓋になりやすくなります。
乳歯の早期喪失
乳歯の早期喪失も、逆被蓋の原因となることがあります。
例えば、上顎の乳歯が早期に失われた場合、上顎の永久歯が正しい位置に生えてこず、結果として逆被蓋になることがあります。
口呼吸と上顎の発育
鼻づまりやアレルギー性鼻炎などにより口呼吸が習慣化すると、上顎の発育が阻害される可能性があります。
これによって上顎の横方向への成長が不足し、逆被蓋や狭窄歯列が生じることがあります。
逆被蓋による症状と影響
見た目への影響
逆被蓋は下顎が前方に位置するため、横顔を見たときに上唇が引っ込んで見えたり、あごが長く見えたりすることがあります。
また、正面から見たときに下唇が上唇よりも前方にあることで、口元のバランスが崩れて見えることもあります。
表情への影響
逆被蓋がある場合、上の前歯が下の前歯の後ろに隠れてしまうため、笑ったときに上の歯がほとんど見えないことがあります。
また、口を閉じるときにあごに力を入れる必要があることから、あごの部分に梅干しのようなしわができることもあります。
咀嚼機能への影響
正常な噛み合わせでは、前歯で食べ物を噛み切り、奥歯ですり潰すという一連の動作がスムーズに行われます。
しかし、逆被蓋では食べ物を噛み切ることが難しくなります。
咬合力の分散不良
逆被蓋によって、特定の歯に過度な負担がかかることがあります。
それにより歯の摩耗が早まったり、歯周組織への負担が増加したりする可能性があります。
逆被蓋を放置するリスク
顎関節への負担
逆被蓋があると、下顎が前方に位置しているため、あごを後方に動かすことが困難になり、顎関節に負担がかかりやすくなります。
この状態が長期間続くと、顎関節症を発症するリスクが高まります。
歯周病のリスク増加
歯が重なっている部分や、噛み合わせが複雑な部分では、歯ブラシが届きにくくなります。
これによって歯垢や歯石が蓄積しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
あごの成長への悪影響
逆被蓋の状態は、上顎の成長が抑制されやすく、下顎の成長が促進されやすい傾向があります。
これによって骨格的な不調和がさらに悪化することがあります。
歯の摩耗と破損
逆被蓋の状態は、特定の歯に集中的な力がかかることで、歯の摩耗を加速させます。
また、歯が欠けたり割れたりするリスクも高まります。
逆被蓋の治療方法
乳歯列期の治療
3歳から6歳頃の乳歯列期に逆被蓋が認められた場合、上顎の成長を促進し、下顎の成長を抑制する目的で早期治療を検討します。
治療には主に取り外し式の装置が使用されます。
混合歯列期の治療
乳歯と永久歯が混在する6歳から12歳頃の混合歯列期には、あごの成長をコントロールする装置や、部分的なブラケット装置を使用して治療を行います。
上顎を前方に拡大したり、下顎の成長を抑制したりすることで、骨格的なバランスの改善を促します。
永久歯列期の矯正治療
永久歯が生え揃った後の治療では、ブラケットとワイヤーを用いた矯正装置を使用して治療を行います。
治療期間は症例によって異なりますが、一般的には1年半から3年程度です。
成人の逆被蓋治療
軽度の逆被蓋で歯の傾斜が主な原因である場合は、通常の矯正治療で改善が可能です。
ブラケットやマウスピース型矯正装置を使用して歯並びを整えます。
外科的矯正治療
重度の骨格性逆被蓋の場合、外科的矯正治療が必要となります。
外科的矯正治療では、まず矯正治療で歯並びを整え、その後にあごの骨を切って位置を修正する手術を行い、そのうえで再度矯正治療を行います。
治療中と治療後の管理
治療中の注意点
固定式の装置を使用している場合は、食べ物が挟まりやすく、虫歯のリスクが高まるため、丁寧な歯磨きとデンタルフロスの使用が欠かせません。
また、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は、装置を破損させる可能性があるため控える必要があります。
通院頻度と治療期間
逆被蓋の治療期間は、症状の程度や治療方法によって大きく異なります。
早期治療の場合は数か月から1年程度で済むこともありますが、成人の本格的な矯正治療では2年から3年程度かかるのが一般的です。
通院頻度は月に1回程度が目安ですが、マウスピース型矯正の場合は、2か月から3か月に1回程度の通院で済むこともあります。
治療後の保定期間
矯正治療で歯並びを整えた後は、歯の位置を安定させるための保定期間が必要です。
保定期間は2年から3年程度となっており、矯正治療が終わった後も保定装置をしっかりと使用することで、治療の成果を長期的に維持することができます。
まとめ
逆被蓋は、下の歯が上の歯よりも前方に位置する不正咬合です。
治療方法は患者さんの年齢や症状の程度によって異なりますが、早期に治療を開始することで、より負担の少ない治療が可能になります。
特に成長期のお子さんの場合は、あごの成長を利用した治療ができるため、早期発見と早期治療が重要です。
成人の場合でも、矯正治療や外科的矯正治療によって改善が期待できます。
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